
ミニインプラントの対策
口臭を訴えて来院する方には特に医学的な異常所見が認められず、口のなかの清掃状態も非常に良好で、客観的に口臭が認められない場合があります。
このような患者様を自臭症といい、口臭を訴える方の八○%以上が自臭症なのです。
喚覚は人間の特殊感覚のなかで、もっとも順応の早い感覚です。
私たちが自分の口臭を自分で評価することは現実的に不可能ですが、それでも自分の身体から悪臭が発散していて他人に迷惑をかけているという恐れを抱いたりするのは、臭いそのものよりも、良好な人間関係を築けなくなっている対人障害が背景にあるからです。
人間は群れを成して社会生活を営む生き物ですから、客観的に口臭が認められないにもかかわらず、自分自身に口臭があると信じることは、つまり、社会生活をしていくうえで良好な人間関係を築くことに失敗した自分へのいいわけになっているのです。
口臭のように他人との接触に直接影響を及ぼす要因になる人間心理の変化は微妙なもので、心身症の半分が口臭を訴え、性格的には凡帳面、繊細、潔癖症の人がなりやすいのです。
心身症のうち、特に、口のなかに原因があると思い込まれている方を口腔心身症と呼んでいます。
口腔心身症に行う心理療法では、たとえ患者様の訴えが医学的に矛盾していても、歯科医はこれを許容的に聞かなければなりません。
そのうえで、検査結果の説明や類似症例の治療実績などを示し、患者様に自身の性格的傾向と症状との関係を理解させます。
そして、症状改善の可能性を示し、励ましていくのです。
やがて患者様は自らの力で症状をコントロールできることを知り、それが自信となって健康な社会生活へ戻ることが可能になるのです。
口のなかは、内面的な葛藤のターゲットとなりやすい場所ですから、歯科医は「口が渇く」「頬がしびれる」「舌が上リヒリする」「入れ歯が気になる」などといった違和感をしばしば原因が特定できないため、治療は困難と判断されがちですが、このような症状の多くは客観的原因を伴わず、心理的なストレスが自らの身体に向かって放出された結果なのですから、的確な心のサポートを受けることによって治癒は可能なのです。
口臭の原因の一つに、タバコがあります。
現在、日本の喫煙人□は三三○○万人を超え、男性は約六五%でやや現象傾向なのに対し、女性は約一六%で増加傾向にあり、その理由は、女性の社会進出にあるといわれています。
一方、欧米に比べて日本の喫煙率が高いのは、キスの習慣がないからだともいわれています。
積極的になった女性が、タバコ臭い男性に負けないように喫煙するようになったのでしょうか?それはさておき、二○○三(平成一五)年七月から、タバコ一本あたりの税金が一円増えましたが、この程度の値上げでは喫煙人□が減るとはとても思えません。
喫煙が健康にとって有害であるということは、すでに広く知られていることで、癌、糖尿病、高血圧症、動脈硬化などの生活習慣病のすべてに悪影響を及ぼしていることが明かになっています。
生活習慣病の一つである歯周病(歯槽膿漏)との関係では、ビタミンCの破壊とそれに伴うコラーゲン線維の生成の低下、メラニンの沈着などが早くからいわれていましたが、残念ながら喫煙は歯周病にとっても、もっとも危険な因子の一つなのです。
タバコを吸うことによる免疫力の低下により、歯周病などの病気にかかりやすくなるのです。
そして、タバコの有害物質が、歯の周りや肺のなかに沈着すると、これを取り除く白血球が大量の活性酸素を放出するのです。
タバコの煙には四○○○種類以上もの科写物質が含まれ、このうち六○種類には発癌性があり、その主なものとして夕ール、ニコチン、一酸化炭素の三つが知られています。
発癌性や強い刺激性を持つタールは、歯や歯石の表面に黒く沈着しますので、見るからに悪影響を及ぼしそうですが、ニコチンだって負けてはいません。
セメント質への結合が強いので、歯石を除去して縞麗にしてもすぐに台なしにしてしまいます。
欧米の歯科医のなかには、「喫煙者の歯周病の治療は無駄である」と極論する人さえいますし、疫学調査によると一○年間で失う歯の数が、タバコを吸わない人に比べて、約三倍という報告。
喫煙への雪三鐘となるほどのインパクトはなかったようです。
しかし、ここ一○年の間に、正確な統計によって裏づけられた報告がなされるようになりましまたニコチンの影響で、毛細血管が収縮して貧血状態になります。
□のなかも例外ではなく、血の巡りが悪くなり、さらに一酸化炭素のために血液中に十分な酸素が運ばれなくなります。
その結果、抜歯後の傷□の回復、歯茎の処置後の治り具合、インプラント手術後の成績が落ちるなど、あらゆる歯科の処置に悪い影響を及ぼすのです。
このように、口臭に留まらず歯への影響だけを考えても、禁煙は必要だと思われます。
思い当たる方は、できればこの機会にきっぱりとやめましょう。
余談になりますが、海外の堂会に参加すると、会場はほとんど禁煙となっています。
ですから、参加する医師たちも当然のことに喫煙しません。
ところが、日本の毒会や歯科医の集まりに出席すると憎然とさせられます。
その大半が休憩時間にタバコを喫煙するので、廊下は臭いはもとより煙で目が痛くなるほどなのです。
これだけ歯科治療に喫煙が悪影響をするのですから、治療を担当する医師たちが喫煙していてはいけません。
健康を志向する人はまず禁煙すること。
さらに、厳しいようですが、スモーカーには健康や環境問題を語る資格はないと私は思います。
低侵襲医療とは、最小限で最大の効果を期待する医療という意味であり、特に従来の医療に比べて侵襲が少なく、従来と同等、あるいはそれ以上の効果が得られるように新しく開発された独自の医療術式をさします。
最小侵襲手術という言葉が、一九九○に学文献に最初に紹介されて以来、小さな切開を加えて特別な手術器具や内視鏡などを用いて行う外科手術が、低侵襲医療と呼ばれるようになり、今日では、腹部外科における腹腔鏡手術や肺外科における胸腔鏡手術、整形外科における関節鏡手術などが盛んに行われています。
歯科領域においても、関節鏡下での顎関節手術、歯周外科手術、骨移植手術、インプラント手術などでは、それぞれ新しく開発された機械や器具を用いて侵襲の少ない手術方法が考えられます。
低侵襲医療が脚光を浴びるようになった背景には、患者様にとってより優しい医療が求められている現状があります。
医師は患者様にいくつかの処置方針を丁寧に説明する義務があり、患者様は説明を受けた治療法のうち、最良の一つを納得したうえで選択します(インフォームドコンセンント)。
低侵襲医療は痛みが少なく、傷口が小さく、治癒も早いなどのメリットがあるうえに、治療期間も短縮でき、日帰り手術が可能となる場合もあるため、患者様のQOL(C臣}ご昌巨どの向上にも貢献できます。
しかし、最小侵襲手術は比較的新しい技術であるために、次のような問題点も指摘されてまず第一点は、新しい手術器具を使うために専門のトレーニングが必要で、術者の熟達によって治療成績が大きく異なることです。
第二点は、手術野が狭く視野が悪いため、組織の損傷や穿孔などの思わぬ結果を招く可能性があることです。
従って、患者様に対しては最小侵襲手術の長所のみならず、短所、つまりテクニックセンシティブ(熟練が必要な繊細)な術式であることも十分に伝える必要があります。
最近では、慈恵大学での医療事故などがありましたが、新しい治療法は専門知識と治療経験が大変重要なのです。
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